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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻12号

1988年11月発行

特集 Drug Delivery Systemを利用した癌治療

アンギオテンシン併用癌化学療法

著者: 涌井昭1 星正彦1

所属機関: 1東北大学抗酸菌病研究所臨床癌化学療法部門

ページ範囲:P.1715 - P.1721

文献概要

 アンギオテンシン(AII)併用癌化学療法は腫瘍血管の機能特性に基づきdrug delivery systemを巧みに利用した癌化学療法である.すなわち,AII昇圧で腫瘍組織の血流量を選択的に増加させることにより,抗癌剤の腫瘍組織への選択的亢進を図るものである.著者らはこれを臨床応用し,これまで,頭・頸部癌で90%,乳癌で71%,胃癌で41%,膵癌で33%の高い奏効率を得たが,非小細胞肺癌,結腸・直腸癌では20%台にとどまった.今後これらの低奏効率腫瘍に対する抗癌剤の選択とともに,本療法の効果をさらに高めるため,腫瘍組織に到達した抗癌剤をより長く局所に留まらせる臨床的対策の開発が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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