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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻12号

1988年11月発行

特集 Drug Delivery Systemを利用した癌治療

抗癌剤封入リポソームを利用したターゲティング療法

著者: 熊井浩一郎1 高橋孝行1 壷内泰二郎1 鈴木啓一郎1 平畑忍1 石引久弥1 阿部令彦1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1755 - P.1764

文献概要

 抗癌剤の腫瘍到達性向上と抗腫瘍効果増強を目的として,リポソームという人工脂質膜小胞を薬剤キャリアーとして用いたDDSの研究を行っている.リポソームの低毒性という共通の性質に加え,以下の3特性をDDSに利用している.1)脂質であるリポソームのリンパ組織指向性を利用し,アドリアマイシンを封入したLip-ADMのリンパ節転移治療効果増強を転移モデルで確認し,内視鏡下局注の臨床応用を行った.2)リポソームの相転移特性を利用し,42℃で薬剤を放出する温度感受性TS-Lip-ADMを作成し,腫瘍局所加温併用による効果増強を実験的に確認し,臨床応用を試みた.3) Lip-ADMに抗ヒトAFPモノクローナル抗体およびそのFabフラグメントを結合させたLip-ADM=Ab,Lip-ADM=Fabのターゲティング効果増強をin vivo実験で確認し,肝動注による肝転移治療への臨床応用を実施した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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