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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻13号

1988年12月発行

文献概要

特集 直腸癌の手術

経肛門的超音波断層法による情報

著者: 桂禎紀1 島津久明1 吉中平次1 山田一隆1 石沢隆1 政信太郎2 西俣嘉人2

所属機関: 1鹿児島大医学部第1外科 2鹿児島大医学部第2内科

ページ範囲:P.1851 - P.1860

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 直腸の早期癌ではポリペクトミーや局所切除,進行癌では肛門括約筋や自律神経の温存術式の適応が問題となっている.経肛門的超音波断層法(TAUS)による直腸癌壁深達度診断の正診率は84%(57/68例)であり,早期癌におけるm癌とsm癌の鑑別や自律神経温存術式の適応と考えられているpm1-2癌の診断が可能であった.TAUSによる旁直腸リンパ節転移の診断成績は,正診率78%(42/54例)でやや低かったが,7.5MHzの機種によるsensitivityは95%(18/19例)と良好であった.TAUSは直腸癌の保存的手術や機能温存術式の適応を決定するうえにぜひ必要な壁深達度やリンパ節転移の有無について,きわめて有用な情報を提供する診断法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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