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特集 直腸癌の手術
直腸癌に対する拡大郭清とその意義について
著者: 高橋孝1
所属機関: 1東京都立駒込病院外科
ページ範囲:P.1879 - P.1885
文献購入ページに移動 拡大郭清を論じる際に,その基準となるべき標準的郭清の郭清範囲は,欧米にあっても本邦にあっても漠然としたものである.
欧米にあっては,拡大郭清における摘除組織の範囲を定め,それ以外の術式を対照とするという形で拡大郭清の意義を検討してきたが,そのいずれもが拡大郭清についての有意義な結論を引き出しえていない.その原因の一つとして,欧米でいう拡大郭清の範囲の規定においては,本邦でのリンパ流の認識からみて不合理さの存在することを指摘した.
一方,本邦にあっては段階的に郭清の程度が規定され,そのいずれもが同等の資格をもって根治手術となりうるために,拡大郭清の意義を系統的に検討することは難しい.N3群リンパ節郭清を標準的郭清として考えた場合に,そこに隣接するN4群リンパ節郭清の意義を検討するという形での臨床的研究が,今後なされてゆくべきものと考える.
欧米にあっては,拡大郭清における摘除組織の範囲を定め,それ以外の術式を対照とするという形で拡大郭清の意義を検討してきたが,そのいずれもが拡大郭清についての有意義な結論を引き出しえていない.その原因の一つとして,欧米でいう拡大郭清の範囲の規定においては,本邦でのリンパ流の認識からみて不合理さの存在することを指摘した.
一方,本邦にあっては段階的に郭清の程度が規定され,そのいずれもが同等の資格をもって根治手術となりうるために,拡大郭清の意義を系統的に検討することは難しい.N3群リンパ節郭清を標準的郭清として考えた場合に,そこに隣接するN4群リンパ節郭清の意義を検討するという形での臨床的研究が,今後なされてゆくべきものと考える.
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