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特集 直腸癌の手術
低位前方切除術
著者: 松田泰次1 安富正幸1
所属機関: 1近畿大学医学部第1外科
ページ範囲:P.1893 - P.1904
文献購入ページに移動 括約筋保存手術は,最近5年間で直腸癌手術の65%に行われるようになり,そのほとんどが器械吻合による前方切除術である.前方切除術の適応に関しては,手縫い吻合では肛門縁より癌下縁までは7cm,器械吻合では6cmが必要である.PM癌では癌腫下縁より2cm離せばよい.括約筋保存手術の重要なポイントは,癌根治性と排便機能保存性である.排便機能の面からは,まず手縫い吻合による前方切除術,つぎに器械吻合による前方切除術,重積術の順に選択される.本稿では前方切除術手技,とくに器械吻合術の問題点と工夫について述べた.根治性の面では,適切な術式選択と十分なリンパ節郭清により,前方切除術81.4%,とくに器械吻合による前方切除術では88.9%と良好である.
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