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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻13号

1988年12月発行

文献概要

特集 直腸癌の手術

低位前方切除術

著者: 松田泰次1 安富正幸1

所属機関: 1近畿大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1893 - P.1904

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 括約筋保存手術は,最近5年間で直腸癌手術の65%に行われるようになり,そのほとんどが器械吻合による前方切除術である.前方切除術の適応に関しては,手縫い吻合では肛門縁より癌下縁までは7cm,器械吻合では6cmが必要である.PM癌では癌腫下縁より2cm離せばよい.括約筋保存手術の重要なポイントは,癌根治性と排便機能保存性である.排便機能の面からは,まず手縫い吻合による前方切除術,つぎに器械吻合による前方切除術,重積術の順に選択される.本稿では前方切除術手技,とくに器械吻合術の問題点と工夫について述べた.根治性の面では,適切な術式選択と十分なリンパ節郭清により,前方切除術81.4%,とくに器械吻合による前方切除術では88.9%と良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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