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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻2号

1988年02月発行

Caseに学ぶ 一般外科医のための血管外科応用手技・9

門脈浸潤を伴う膵頭部癌の手術

著者: 加藤紘之1 田辺達三1

所属機関: 1北海道大学医学部第2外科

ページ範囲:P.237 - P.242

文献概要

はじめに
 膵癌に対する拡大手術の一環として門脈浸潤例に対する積極的切除が行われるようになった.en bloc切除の立場から浸潤の有無にかかわらず門脈を合併切除する考えもあるが,本稿では癌の局所遺残を防ぐという立場からの切除術式につき述べる.膵癌手術にかかわる門脈系分枝は互いに豊富な連絡網を持ち,中枢側での遮断であれば腸管のうっ血,機能障害をもたらすことは少ないが,癌浸潤によって変化した門脈血行動態を術前の血管造影によって十分把握の上,操作を進めるべきである.また門脈合併切除を行う場合,中尾らが開発した上腸間膜静脈一下大静脈バイパス法はその適応を拡げ,かつ安全にする上で大きな役割を果しているのでバイパスチューブを常備した方が良い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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