文献詳細
Caseに学ぶ 一般外科医のための血管外科応用手技・9
文献概要
はじめに
膵癌に対する拡大手術の一環として門脈浸潤例に対する積極的切除が行われるようになった.en bloc切除の立場から浸潤の有無にかかわらず門脈を合併切除する考えもあるが,本稿では癌の局所遺残を防ぐという立場からの切除術式につき述べる.膵癌手術にかかわる門脈系分枝は互いに豊富な連絡網を持ち,中枢側での遮断であれば腸管のうっ血,機能障害をもたらすことは少ないが,癌浸潤によって変化した門脈血行動態を術前の血管造影によって十分把握の上,操作を進めるべきである.また門脈合併切除を行う場合,中尾らが開発した上腸間膜静脈一下大静脈バイパス法はその適応を拡げ,かつ安全にする上で大きな役割を果しているのでバイパスチューブを常備した方が良い.
膵癌に対する拡大手術の一環として門脈浸潤例に対する積極的切除が行われるようになった.en bloc切除の立場から浸潤の有無にかかわらず門脈を合併切除する考えもあるが,本稿では癌の局所遺残を防ぐという立場からの切除術式につき述べる.膵癌手術にかかわる門脈系分枝は互いに豊富な連絡網を持ち,中枢側での遮断であれば腸管のうっ血,機能障害をもたらすことは少ないが,癌浸潤によって変化した門脈血行動態を術前の血管造影によって十分把握の上,操作を進めるべきである.また門脈合併切除を行う場合,中尾らが開発した上腸間膜静脈一下大静脈バイパス法はその適応を拡げ,かつ安全にする上で大きな役割を果しているのでバイパスチューブを常備した方が良い.
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