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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻3号

1988年03月発行

特集 手術と輸血—最近のトピックス

輸血と肝炎

著者: 片山透1

所属機関: 1国立療養所東京病院外科

ページ範囲:P.337 - P.343

文献概要

 現在の我が国では,血液センターでのHBsAgプレチェックがかなり効果を挙げてはいるものの,輸血後B型肝炎はまだ0.3〜0.5%程度にみられるし,病原体ならびにその関連抗原抗体が未確定の非A非B型肝炎の発生は20%にも達するという報告がある.またその防疫対策としては,GPT正常値のものを輸血するという方法が採られているに過ぎない.
 輸血後肝炎の診断自体についても,B型肝炎は輸血前と肝炎発症直前・直後のHBsAgあるいは1gM-antiHBcを検査することで可能であるが,非A非B型肝炎の診断は,いわゆる吉利班の判定規準またはこれを改変した1〜2の基準に基づいて,GPTをマーカーにして,疑診ならびに確定診断として下している.
 輸血後B型肝炎の対策としては,HBsAgの検査法の変更か,antiHBcの併検が,非A非B型肝炎対策としてはGPTの標準値を20〜25K.U.に引下げることが検討されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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