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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻3号

1988年03月発行

特集 手術と輸血—最近のトピックス

人工血液—とくに修飾ヘモグロビン溶液について

著者: 関口定美1 伊藤敬三1

所属機関: 1北海道赤十字血液センター

ページ範囲:P.357 - P.362

文献概要

 血液の有する総ての機能を代替する真の意味の人工血液を存在しない.すでにフルオロカーボンが知られているが,その酸素運搬能,生体内蓄積性から一般の輸血に応用されるには至っていない.また期限切れ血液を溶血し,赤血球膜成分を除いたstroma free hemoglobinの応用もみられたがP50が低いこと,生体内半減期が著しく短いことなどの欠点があり,最近はこの欠点を改善すべくヘモグロビン分子を化学修飾した修飾ヘモグロビン溶液が人工赤血球として注目されている.ヘモグロビン修飾法は数多く存在し,その有効評価は困難であるが,今後規格の一定した修飾ヘモグロビン溶液により評価をおこない臨床応用に向けることが必要である.われわれは年間250万単位に達する非使用赤血球の有効利用の立場からPEG-PLP-Hb溶液の調整を試みており,輸血をめぐる総合的課題として今後の修飾ヘモグロビン溶液の早期実用化を期待している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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