文献詳細
手術手技
食道癌術後縫合不全に対する吻合部バルーン拡張術の治療効果について
著者: 安永敏美1 山内皓1 福山訓生1 加川隆三郎1 沖村英二1 金井陸行1
所属機関: 1小倉記念病院外科
ページ範囲:P.515 - P.518
文献概要
食道癌根治術後の食道胃吻合部縫合不全は,外科医にとって不愉快な合併症の一つであり,全身管理に難渋することもしばしばである.
われわれは食道胃吻合部の縫合不全の結果生じた頸部瘻孔に対し,吻合部狭窄が原因で瘻孔が難治性になっているのではないかと考え,バルーンカテーテルを用いて縫合不全部吻合口の拡張を図ったところ,瘻孔は急速に閉鎖し縫合不全が治癒することを認めた.その後3例の追試を行ったが,いずれも予想以上の治療効果を示したので報告する.
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