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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻5号

1988年05月発行

文献概要

文献抄録

非開胸食道抜去術:縦隔出血の危険性は?

著者: 安藤暢敏1

所属機関: 1慶応義塾大学外科

ページ範囲:P.622 - P.622

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 非開胸食道抜去術は出血量も少なく比較的安全な術式で,最近広く行われるようになった.樹脂注入法で血管模型を作製し,食道の血管支配・走行を三次元的に確認し,食道抜去術による縦隔出血の危険性の有無について検討した.
 18屍体を用いて剖検時に,食道・気管気管支・横隔膜の一部・胃十二指腸・膵・横行結腸および大動脈をen blocに摘出し,下行大動脈からカテを留置し,ヘパリン加蒸留水にて灌流した.食道・胃内にはバルーンを挿入し,これを水で膨らませて内腔を保持した.注入には異なった粘稠度をもった2種類の樹脂を用いた,肉眼観察に用いる動脈模型作製には,内径0.1〜0.2mmの細動脈には到達し,静脈側へは通過しない160μmの粒子からなるBeracrylを使用し,カテを通して大動脈内へ用手的に注入した.微小循環の観察には,毛細血管内を通過しうるMercoxを左胃動脈から注入した.樹脂を注入した摘出臓器を,ホルムアルデヒドと苛性ソーダを用い,20〜30時間処理して血管模型が完成する.Mercox模型は走査電顕で観察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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