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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

食道

胸部食道癌根治手術における横隔膜リンパ節(No 111),後縦隔リンパ節(No 112)の郭清

著者: 佐々木公一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.717 - P.719

文献概要

 胸部食道癌根治手術における横隔膜リンパ節(No 111),後縦隔リンパ節(No 112)郭清の意義については未だ明確な議論はなされていない.特に胸部食道と胸部下行大動脈の間溝に沿って存在するNo112リンパ節に関しては成書の記載も不十分である.
 胸部中,下部食道から尾側に向かうリンパ流は後縦隔の旁食道リンパ節,旁大動脈リンパ節を経て乳び槽や胸管に入り,途中でNo 111リンパ節とも連絡しながら腹腔動脈周囲リンパ節へ流入するといわれている.従って合理的郭清という観点からすれば,これらの領域のリンパ流や転移実態の解明は今日の重要な課題である.
 横隔膜リンパ節(No 111)郭清:腹腔側より食道裂孔を開大し,一方に偏することなく左右の壁側胸膜を露出するようにリンパ節を含め食道周囲組織を広く切除することが重要である.右胸腔側からの郭清は横隔膜上部のリンパ節を対象に行う.
 後縦隔リンパ節(No 112)郭清:気管分岐部から横隔膜までのレベルで,胸部下行大動脈に沿い右側2/3周の大動脈壁を露出するように周囲結合組織とともにNo 112リンパ節を食道側へつけてen blocに切除する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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