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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

食道

非開胸食道抜去

著者: 鶴丸昌彦1

所属機関: 1虎の門病院消化器外科

ページ範囲:P.720 - P.721

文献概要

 非開胸下に胸部食道を抜去するいわゆる非開胸食道抜去法には指を用いて食道周囲を剥離,抜去する用指的食道抜去法とvein stripperを用いて食道を翻転しながら抜去する翻転抜去法とがある.用指的抜去法は通常上方抜去が行われるが,下方への抜去も可能であり上方抜去した場合は切除標本で咽頭頸部食道との連続性が保たれ,また下方抜去した場合は胃との連続性が保たれる.翻転抜去法では,下方抜去するのが好ましい.これは迷走神経食道枝と食道壁との関連で上方へ抜去した場合,食道筋層が裂ける可能性があるためである.手技的には翻転抜去法が簡単で,所要時間も短くてすむが,術野汚染の可能性や抜去途中でvein stripperがはずれてしまうこともありうる.抜去直後の縦隔出血は通常の凝固機能であればまず問題はない.
 適応さえ誤らなければ非開胸食道抜去法は安全で有用な手法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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