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特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96 食道
大彎側胃管の作成法
著者: 田中乙雄1
所属機関: 1新潟大学医学部第1外科
ページ範囲:P.730 - P.731
文献購入ページに移動 胸部食道全摘後の食道再建には手術手技が比較的容易なことから胃を用いることが多い.
食道再建用胃管は胃上部の切除範囲により全胃,亜全胃,太い胃管,細い胃管に大別できるが,リンパ節転移頻度の高い,噴門リンパ節,小彎リンパ節の郭清を徹底させることと,十分な長さと良好な血流を保持させることが必須の条件であり,われわれは大彎側胃管形成鉗子を用いて約4cm幅の比較的細い大彎側胃管を作成することを標準術式としている.この鉗子を用いての大彎側胃管作成の利点は,広く噴門リンパ節,小彎リンパ節を含む胃小彎側切除予定線を1回の操作で決めることができ,両鉗子成分を平行移動することによって胃小彎側漿筋層および粘膜・粘膜下層の層別切離,結節縫合操作を確実に行うことができることであり,完成後の胃管は良好な血行を保ったまま幅4cm,長さ35cm前後となる.
食道再建用胃管は胃上部の切除範囲により全胃,亜全胃,太い胃管,細い胃管に大別できるが,リンパ節転移頻度の高い,噴門リンパ節,小彎リンパ節の郭清を徹底させることと,十分な長さと良好な血流を保持させることが必須の条件であり,われわれは大彎側胃管形成鉗子を用いて約4cm幅の比較的細い大彎側胃管を作成することを標準術式としている.この鉗子を用いての大彎側胃管作成の利点は,広く噴門リンパ節,小彎リンパ節を含む胃小彎側切除予定線を1回の操作で決めることができ,両鉗子成分を平行移動することによって胃小彎側漿筋層および粘膜・粘膜下層の層別切離,結節縫合操作を確実に行うことができることであり,完成後の胃管は良好な血行を保ったまま幅4cm,長さ35cm前後となる.
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