文献詳細
特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
胃・十二指腸
食道浸潤噴門癌に対する非開胸経腹的横隔膜切開アプローチ—吊り上げ式開腹鉤と腸管自動吻合器を用いて
著者: 吉野肇一1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科
ページ範囲:P.759 - P.761
文献概要
上腹部正中切開で開腹し腹腔内を精査する.食道浸潤を伴う噴門癌の多くは漿膜浸潤が陽性である.そのような例では胃全摘,R2+αのリンパ節郭清,膵脾合併切除,大・小網切除,盲網切除を行う.
噴門部および脾,膵尾部以外の操作は通常の開腹鉤で行う.大網の切除から始めて⑥,⑤のリンパ節を郭清後,十二指腸を切離.⑧,⑨,⑦のリンパ節を郭清後,吊り上げ鉤を装着する.脾,膵体・尾部を後腹膜より脱転し,膵を横切する.下部縦隔内のリンパ節を郭清後,食道を癌腫口側縁より十分に離して切離する.再建はRoux-en-Yなどによるが食道断端と空腸との吻合は腸管自動吻合器を用いる.
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