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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

胃・十二指腸

微粒子活性炭CH40を用いた胃癌リンパ節郭清術

著者: 高橋俊雄1 沢井清司1

所属機関: 1京都府立医科大学第1外科

ページ範囲:P.771 - P.773

文献概要

 微粒子活性炭CH40はりンパ節指向性が極めて高いので転移リンパ節にも移行し,また多量の抗癌剤を吸着し可逆的にこれを離脱するという特徴を有している.われわれは本剤を胃癌リンパ節転移の治療に応用しているが,それぞれの目的に応じて投与方法を変えているので,各種投与法とその特徴を紹介する.
 (1)術中胃漿膜下注入法:本剤0.5mlを胃漿膜下に注入する方法である.注入した胃壁からの輸出リンパ管が直ちに黒染され,所属リンパ節も次々に黒染されていく.胃壁の各部位からの輸出リンパ流を検索するのに有用である.
 (2)術中リンパ節内注入法:本剤0.1〜0.2mlをリンパ節内に直接注入する.約1〜2分で第4群リンパ節まで黒染されるので,郭清の行われないリンパ節転移の化学療法が期待される.
 (3)術前内視鏡下注入法:術前2日前に経内視鏡的に胃癌周囲の粘膜下層に0.2mlずつ4ヵ所に注入する.第4群を含む広範囲のリンパ節が黒染されるので,広範囲郭清とくに大動脈周囲リンパ節郭清の良い指標になる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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