icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

胃・十二指腸

選迷切兼幽門洞切除術—胃内容停滞防止を目的とした工夫

著者: 白鳥常男1 村田省吾1 金泉年郁1

所属機関: 1奈良県立医科大学第1外科

ページ範囲:P.784 - P.785

文献概要

 選択的胃迷走神経切離術(以下選迷切と略す)兼幽門洞切除術は,広範囲胃切除術より胃の切除範囲が少ない点や,減酸効果が良く再発率が低いなどの点から,十二指腸潰瘍や胃・十二指腸併存潰瘍に広く施行されているが,運動機能の面よりみると,迷走神経切離に起因する残胃のatonyと蠕動運動の減弱により,術後早期に胃内容の停滞が起こり易い.
 従来の方法を施行した症例の術後1ヵ月目の残胃の形態と運動機能をX線透視にて観察すると,蠕動運動は著しく減弱しており,残胃は拡張し,胃体部大彎は吻合口よりも下垂し,造影剤が胃内に貯留して十二指腸への排出遅延を認めるのが常である.
 そこで,選迷切兼幽門洞切除術における胃内容停滞防止には,残胃の胃体部大彎が吻合口よりも下垂しないための処置が必要となる.
 われわれは胃・十二指腸の吻合方法と,残胃の後壁固定の方法に,それぞれ工夫を加え,胃内容の停滞防止を計っている(白鳥ら:日本平滑筋誌22:503,1986).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら