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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

文献概要

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96 胃・十二指腸

十二指腸潰瘍手術断端処理困難時の対処

著者: 愛甲孝1 帆北修一1 島津久明1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.788 - P.790

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 十二指腸潰瘍は,薬物療法が進歩したにもかかわらず,あるいは進歩したがゆえに再発を頻回に繰り返す傾向が強く,穿孔や通過障害などの合併症を来してから手術対象となる頻度が近年高くなっている.そのために十二指腸潰瘍の胃切除後の十二指腸断端閉鎖は時として非常に困難な場合がある.通常のBillroth-II法のごとく縫合閉鎖ができない場合の対処法としては,1)周囲組織ことに膵組織や潰瘍痕などを利用して補強を加え縫合閉鎖を強行する,2)補強をしても不安が残る時や,縫合閉鎖も吻合も困難な場合には,catheter duodenostomyを行う,3)十二指腸断端の縫合閉鎖を強行せず残胃と十二指腸を吻合し減圧をはかる,4)癒着のために十二指腸起始部の遊離が不可能な場合や,遊離切断可能と思われても潰瘍が残り瘢痕収縮のため術後の通過障害が懸念される場合には空置的胃切除を行う,などの手技を症例に応じて著者らは選択している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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