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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

小腸・大腸

直腸癌手術の側方リンパ節郭清

著者: 小平進1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.798 - P.800

文献概要

 直腸,特に下部直腸癌に対して,側方リンパ節郭清を中心とする拡大郭清を行うことにより,局所再発を減少させ,遠隔成績も向上した.直腸癌の側方リンパ節への転移率は中直腸動脈根部リンパ節8.0%,内腸骨リンパ節7.6%,閉鎖リンパ節5.4%,総腸骨リンパ節1.2%,外腸骨リンパ節3.0%などであり,私達が検索した174例中,14.4%に側方転移を認めている.原発巣の深達度別にみると,固有筋層を越えるものでは18.0%に転移がみられている.直腸の部位によるリンパ流の違いから,特に下部直腸,肛門管の固有筋層を越える癌では,側方転移率は22.0%と高率である.一方,拡大郭清を施行すると術後の排尿,性機能障害は高度となることはいうまでもない.従って,側方郭清は下部直腸,肛門管に存在する癌で,深達度が固有筋層を越えると思われる症例に限定して行うことを現在では原則としている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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