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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

肝臓

尾状葉切除

著者: 高山忠利1 幕内雅敏1

所属機関: 1国立がんセンター病院外科

ページ範囲:P.848 - P.850

文献概要

 尾状葉原発肝細胞癌の発生頻度は低く,また同部の脈管支配の特異性のため早期に肝内転移や門脈・下大静脈腫瘍栓を合併することが多く,切除対象となる症例はさらに稀である.実際,1987年12月までの当センターにおける肝細胞癌切除358例中の切除可能症例は左尾状葉に発生した2症例のみであった.左尾状葉の門脈は2次分枝であり根治性の面からは左葉切除が望ましい,しかし肝硬変合併例では耐術の面からこれを適応できる症例はむしろ少ない.ここに根治性と安全性の両者を配慮した左尾状葉単独切除の必要が生じてくる.なお,このうち1例は他院での手術施行例ではあるが左尾状葉単発の最大径約5cmの腫瘍で,全胸骨正中切開に心嚢切開を加えた切開創による良好な視野のもとでより安全に切除が施行された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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