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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

胆道

胆管癌に対するリンパ節郭清

著者: 吉田奎介1 川口英弘1 武藤輝一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.881 - P.884

文献概要

 胆管癌の根治手術では,1.胆管に沿う長軸方向への進展,2.周囲への間質浸潤,3.リンパ節転移,などの要素を克服しなければならない.長軸方向への進展に対しては膵頭十二指腸切除あるいは肝切除が,時には両者が同時に施行される.ここでは肝切除を必要としない下部胆管癌に対する私どもの手術方針について述べる.
 リンパ節郭清に当たっては,まず遠位でリンパ路を遮断し,逐次求心性に取り進むのが理想である.しかし,最も重要なリンパ流出路である上腸間膜動脈起始部への到達が早期には困難であるため,最後に上腸間膜動脈起始部に集中する手順を取っている.しかし,可及的に系統的に組織を連続性を保ったまま切除すること,肝十二指腸間膜内で胆管を露出させず,肝動脈(右肝動脈は必要であれば合併切除する)と門脈だけを抜き取るように残し,リンパ節を含む間質を胆管とともに一塊に切除することを心がけている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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