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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

胆道

膵・胆管合流異常を伴う先天性胆道拡張症に対する胆管切除—特に胆管末端部の処理

著者: 戸谷拓二1 漆原直人1

所属機関: 1香川医科大学小児外科

ページ範囲:P.900 - P.902

文献概要

 膵・胆管合流異常を伴う総胆管嚢胞に対する嚢胞切除・胆道再建術は発癌の予防と合流異常の分流手術として多くの賛同が得られている.しかし,下部胆管を一部残す胆道再建術は発癌や結石を生じることがあるため,肝外胆管全切除が理想となる.嚢胞の剥離は胆嚢管の剥離面よりやや深部の線維化層で剥離すれば出血が少なく,門脈,固有肝動脈を損傷する危険もない.一般に,年長になるほど炎症が高度で,出血しやすく,剥離が困難となるが,この剥離法は胆管末端部までの剥離も容易で,嚢胞内面からの検索は不要である.膵内に埋没した胆管末端部の剥離に,多少の出血をみるが,胆管切離後に巾着縫合を層状に数針施しておけば,止血のみでなく膵液瘻も予防できる.嚢胞状拡張は胆管末端部を合流部まで追求可能であるが,円筒状拡張の末端部は狭窄が判然としないものが多い.できるだけ膵内深く切離すればよい.術後のERCPにより,十分な切除が証明されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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