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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

文献概要

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96 膵臓

膵癌手術の上腸間膜動脈周囲郭清

著者: 鈴木敞1 村上卓夫1

所属機関: 1山口大学医学部第2外科

ページ範囲:P.916 - P.918

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 上腸間膜動脈周囲リンパ節は膵頭部癌では第1群リンパ節であって,標準切除術式下においても郭清されねばならない.この上腸間膜動脈(以下SMA)の本幹にはSMA神経叢が付着していて,膵癌はしばしばリンパ節転移とは別に膵頭神経叢第2部をへてこの神経叢まで進展することが知られている.従ってSMA周辺の郭清はリンパ節を神経組織もろとも除去するのが本筋である.が反面,この神経組織の徹底郭清は小腸の運動,分泌,血流障害などを通じて高度の消化吸収障害をもたらすことが知られている.このように本郭清に関しては根治性と機能保全との二律背反をめぐっての論議が絶えない.
 筆者は目下のところ,標準術式下においてはSMAの右半周に沿う領域の郭清にとどめ,そして拡大術式下ではSMAの全周全長に亘る神経組織を含めた完全郭清を採用する方針をとっている.これら郭清操作には意識的に電気メスを頻用している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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