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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

膵臓

膵頭十二指腸切除後の膵胃吻合

著者: 三村久1

所属機関: 1岡山大学医学部第1外科

ページ範囲:P.922 - P.924

文献概要

 膵頭十二指腸切除術における膵の再建は一般に膵空腸吻合であるが,近年手術材料や手技の進歩改良により膵腸吻合後の縫合不全などの合併症は著しく減少したとはいえ,多くの外科医にとって膵の再建はなお困難な吻合法のひとつである.ここに述べる膵胃吻合法の特色は手技が容易簡単であること,縫合不全や出血などの合併症がほとんど皆無であることである.また術後の消化吸収も保たれる.膵胃吻合法には,膵管と胃粘膜を吻合する方法と膵断端をそのまま胃内に陥入させる方法とがある.前者では膵管のみが胃内に開口するのでより生理的であるが,膵管チューブの挿入が必要で手技がやや面倒である.長期間の膵管の開口性はこの方法の方が後者よりすぐれているという説がある.後者では膵管チューブの留置は必須ではなく,膵断面からの膵液漏出も懸念する必要がない.胃内に大きく突出した膵断端は長期間の間に漸次突出が少なくなり胃粘膜でおおわれてくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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