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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

膵臓

膵頭十二指腸切除後の膵管空腸吻合

著者: 鈴木敞1 水田英司1

所属機関: 1山口大学医学部第2外科

ページ範囲:P.932 - P.933

文献概要

 膵頭十二指腸切除(以下PD)で膵管空腸吻合がなされるのは,主として慢性膵炎を対象とする時である.すなわち,膵石とか腫瘤が膵頭部に限局していて,それが総胆管,十二指腸,門脈などを圧迫狭窄し,ために疼痛以外の症状も加わっているような場合がPDの好個の適応である.その場合残した膵尾側組織の減圧をさらに徹底させ,併せて残存する結石を可及的除去するためには,残膵の主膵管を大きく開き,そしてこの開放した膵管と空腸とを側々に吻合するのが望ましい.
 膵管空腸側々吻合は,空置空腸を用いてなされるのが一般的であるが,筆者はより生理的再建を目ざして食事通路上にこの側々吻合を施行している.
 かかるPD後の膵管空腸吻合に当っては,通常の膵頭切除を伴わないで施行する同吻合に比し,より入念に吻合操作を施さねばならないことはいうまでもない.とりわけ縫合不全や消化管狭窄を併発しないように目下採用している方法を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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