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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

文献概要

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96 膵臓

膵管乳頭形成術

著者: 松野正紀1

所属機関: 1東北大学医学部第1外科

ページ範囲:P.934 - P.935

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 膵管乳頭形成術(膵管開口部形成術)は,慢性膵炎に対して,膵頭側からの膵管ドレナージとして行われる.主膵管の拡張が一様であり,狭窄部が膵管開口部のみのもの,あるいは開口部に膵石が嵌頓している症例が適応となる.乳頭形成術(胆道の項参照)を行ったのち,主膵管開口部を確認し,幅2mm,長さ5〜10mmにわたって楔状に切開し膵管壁と胆管壁を結節縫合で縫着するものである.
 われわれは,これまで152例の慢性膵炎に対して10例に本術式を行った.術後6ヵ月以上経過した9例について,手術後の疼痛の状況をみると,消失33.3%,軽快44.4%,不変22.3%であり,膵管のほぼ全長にわたるドレナージより疼痛消失率は低くなっている.手術適応を厳格にすることと,有効なドレナージ効果が得られる膵管口を作成することが肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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