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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

肛門部・その他

痔核の結紮切除手術—半閉鎖術式

著者: 荒川廣太郎1

所属機関: 1荒川クリニック

ページ範囲:P.968 - P.969

文献概要

 肛門の手術は,病変部を切り取るのみでなく,機能的・形態的に健常な肛門に作り直す再建手術でもある.
 痔核の手術においても,この原則に近づくよう切除部位や範囲,再建方法を予め脳裏に描き忠実に実施することが大切である.痔核を形成する病的な痔静脈叢は十分に切除し,時に切離面に隣接する残存静脈叢もundermineに掘り出し切除する.根部の血管結紮や粘膜縁の止血は慎重に行い,術後の大出血を予防する.支持組織の過伸展や上皮の弛緩がみられても,軽率に切除することなく,術後の肛門機能を考え,縫縮したり,あるいは元の位置へ再固定したりする(半閉鎖術式).
 しかし一方,上皮や維持組織を温存するあまり,過剰な組織が残存することは,かえって治癒を妨げるものであるので,良好なドレナージを形成するように,適切なトリミングを行うことも必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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