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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻6号

1988年05月発行

特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96

肛門部・その他

嵌頓ヘルニアの手術

著者: 堀隆1 横森欣司1

所属機関: 1日赤医療センター小児外科

ページ範囲:P.984 - P.986

文献概要

 嵌頓ヘルニアは2歳未満の乳児期に多く,鼠径ヘルニアの危険な合併症として恐れられて来た.しかし最近では保健指導が普及して嵌頓しても早期に受診し,用手整復可能なものがほとんどである.また乳児期早期の手術が予防的に日常のこととして行われるため,今日では緊急手術は稀になってしまった.
 嵌頓手術の目的は次の通りである.①嵌頓臓器の血行障害の程度を直視下に観察する.②絞扼を解除した後そのまま腹腔内に還納するか,切除するかを決定する.③安全な状態で嵌頓臓器を還納した後,ヘルニア根治手術を行う.したがって一旦手術と決定した後は,安全に還納できることを直視下に確認するまで臓器を腹腔内に戻す操作を行うことは理屈に合わないことである.しかし注意していたのに自然に還納されたときは,通常はたいした絞扼でなかったと思ってよい.大きく開腹してまで確認しなくてよいと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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