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特集 鼠径ヘルニアの診療
文献概要
小児の外科症例中最も多い鼠径ヘルニアは,小児外科施設のみならず一般外科施設でも日常診療の対象となっている.手術適応と手術時期の決定に当り,嵌頓と本症の自然治癒を無視できない.今日の小児外科のレベルから乳幼児の鼠径ヘルニアは安全確実に手術できるので,本症と確診されれば手術適応ありとしてよい.一般的には生後3ヵ月以降の予定手術が妥当である.手術術式は本症の病態から考え鼠径管の形成術は不要であり,ヘルニア嚢の十分な高位結紮のみで不足なく,Potts手術が適している.1例の再発をみたが,これは不十分な高位結紮によるものである.術後反対側鼠径ヘルニアの出現はGoldstein test施行により著明に減少した.
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