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臨床報告
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法後に急性腎不全を来した2症例
著者: 吉野一郎1 橋爪誠1 北野正剛1 山賀博彦1 東秀史1 杉町圭蔵1
所属機関: 1九州大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1229 - P.1232
文献購入ページに移動内視鏡的硬化療法(EIS)は,1936年にCrafoord1)が食道静脈瘤の治療として初めて施行して以来,実に約50年の歴史を有するが,今日の隆盛はfiberscopeや硬化剤の開発および手技の改良に負うところが大である.その結果,治療成績の格段の向上を認め,手術療法に代わるものとして急速に普及しつつあるのが現状である.しかしながら一方では,未だ硬化剤の作用機序や合併症についての詳細な報告は少なく,長期の予後とともに今後検討されなければならない課題として残っている.今回,われわれはEIS後に急性腎不全を来した2症例を経験したのでここに報告する.
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