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特集 消化器癌の相対非治癒切除
胸部食道癌のstage Ⅳ症例とその相対非治癒切除について
著者: 鶴丸昌彦1 秋山洋1 小野由雅1 渡辺五朗1 宇田川晴司1 鈴木正敏1
所属機関: 1虎の門病院消化器外科
ページ範囲:P.1293 - P.1297
文献購入ページに移動胸部食道癌では,切除例の約70%にリンパ節転移がみられ,そのほとんどがn2,n3以上である(表1).すなわち,stage Ⅲ, stage Ⅳが約60%を占めている.このように食道癌では進行例が多く,根治切除ができたと思われても術後に再発がくることはしばしば経験するところである.
相対非治癒切除とは,明らかな癌遺残はないが,かろうじて切除できたか,という切除である.もちろん,poor riskなどのため十分なリンパ節郭清ができなくて相対非治癒切除になることもあるが,すべての条件を加味して相対非治癒切除を論ずると,複雑になるので,本稿では,R3郭清が行われた症例での相対非治癒切除について論じてみたい.
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