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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻9号

1988年08月発行

文献概要

特集 消化器癌の相対非治癒切除

肝癌の相対非治癒切除—成績とその問題点

著者: 高山忠利1 幕内雅敏1 小西宗明1 北口浩1 上坂克彦1 彌政晋輔1 山崎晋1 長谷川博1

所属機関: 1国立がんセンター病院外科

ページ範囲:P.1317 - P.1324

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 肝細胞癌に対する肝切除術根治度の臨床的意義を明らかにする目的で,肝硬変合併肝癌165切除例を対象に,とくに手術根治性の術後予後に与える影響を中心に解析した.
 術後累積生存率は,1年生存率90.0%,2年74.2%,3年57.1%,4年および5年28.6%であった.原発性肝癌取扱い規約に従えば,相対非治癒切除例数は全症例の68.5%にも達し,その最大の原因はTW,Hrの規定条件を満足できない点にあった.また,相対非治癒切除群(n=113)の予後は相対治癒切除群(n=31)に比しむしろ良好な傾向を示し,自験例では根治度と遠隔成績との関連に一部矛盾を生じた.以上の結果を踏まえ,肝癌の脈管侵襲特性を考慮したわれわれの根治度分類の暫定案を提示し,あわせて予後からみた肝癌根治手術のあり方について言及した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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