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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻9号

1988年08月発行

文献概要

特集 消化器癌の相対非治癒切除

膵癌の相対非治癒切除—膵周囲切離,剥離面(ew)からみた検討

著者: 今泉俊秀1 羽生富士夫1 吉川達也1 中迫利明1 松山秀樹1 長谷川正治1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器外科

ページ範囲:P.1349 - P.1356

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 膵癌の相対非治癒切除について検討した.「膵癌取扱い規約」に準じew(−)をew0(膵周囲切離,剥離面より5mm以内に癌浸潤が認められないもの)と,ew1(膵周囲切離,剥離面より5mm以内に浸潤が認められるが,切離,剥離面への浸潤の認められないもの)とに分けて,病理組織学的進展様式,再発様式,予後から検討した.ew1は病理組織学的にはew(+)に近い病像を呈し,再発様式でも後腹膜再発が61%と多くew(+)と類似性を示したことから,癌遺残のhigh risk factorと考えられた.予後ではew0とew(+)との中間に位置した.したがって膵癌の相対非治癒切除を規定するならば,ew1が妥当と考えられた.今後,拡大手術によって可及的に治癒切除を追求し,さらに症例の集積をまって検討すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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