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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻9号

1988年08月発行

文献概要

特集 消化器癌の相対非治癒切除

大腸癌の相対非治癒切除—成績とその問題点

著者: 進藤勝久1 安富正幸1 八田昌樹1 森川栄司1 久保隆一1 肥田仁一1 松田泰次1 和田富雄1 相良憲幸1

所属機関: 1近畿大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1369 - P.1374

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 大腸癌の相対非治癒切除は,リンパ節郭清が転移の程度より低い(R<n)ためにおこるものが最も多く60%を占め,次いで肝,肺転移の合併切除(16%),腹膜播種の合併切除(16%),遠隔リンパ節転移n4(+)の8%である.R<nは取扱い規約上の問題であり,そのために治癒切除が相対非治癒となったものである.その他のものは合併切除により絶対非治癒が相対非治癒となったものである.教室で扱った大腸癌手術と全国調査報告とからこれらの頻度や生存率について検討した.R<nとなった原因には腫瘍縁から切除断端までの距離(AW, OW)が規定の長さに達していないことが多く,これらでは相対非治癒であるにもかかわらず,高い生存率を示した.そこで,リンパ節クリアリング法で腸軸方向,中枢方向,側方向のリンパ節転移率を調べ,規約のリンパ節分類の再評価を行った.その結果,現行の取扱い規約のリンパ節分類では大腸癌の現実と合わない部分があった.大腸癌研究会でも新リンパ節分類案が提案され,これに基づいた手術効果程度別生存率や転移率が検討されることになろう.
 血行転移である肝転移および肺転移も,切除により相対非治癒となったものでは,遠隔成績は向上している.積極的な癌巣切除をできるだけ広範囲に行うことが予後向上につながると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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