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臨床研究
Pendred症候群5例の報告と病態についての検討
著者: 小松誠1 久米田茂喜1 岩浅武彦1 井之川孝一1 堀利雄1 牧内正夫1 重松秀一2 菅谷昭3 飯田太3 宮川信4
所属機関: 1国立松本病院外科 2信州大学医学部第1病理 3信州大学医学部第2外科 4飯田市立病院外科
ページ範囲:P.1393 - P.1397
文献購入ページに移動Pendred症候群は,1896年Pendredによる家族性甲状腺腫と先天性聾を合併した姉妹例の報告に始まる.1960年Trotterは,聾と甲状腺腫を伴う疾患を①Deaf-mutism in relation to endemic cretinismand goitre②Sporadic goitre with deaf-mutism③Deafness with adult myxoedema の3型に分け,②をPendred症候群と規定した.一方1965年Fraser3)が①perchlorate discharge test陽性(またはロダンカリ放出試験),②家族性甲状腺腫,③先天性感音性難聴の3徴候を有する疾患をPendred症候群と提唱した.
われわれは最近,Fraserが提唱したPendred症候群(狭義のPendred症候群)に該当する症例を1例経験したので,これを報告し,さらに以前に経験した類似疾患,すなわちTrotterの規定した,広義のPen-dred症候群の4症例を加えて,本症候群の臨床像を検討する.
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