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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻1号

1989年01月発行

文献概要

特集 膵臓の外科—up to date

慢性膵炎における術式の選択—膵管減圧手術

著者: 松野正紀1 砂村眞琴1 浅野晴彦1 木村良直1

所属機関: 1東北大学医学部第1外科

ページ範囲:P.47 - P.52

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 慢性膵炎174例の経験を基に,膵管減圧手術の適応,手技および治療成績を中心に述べた.膵管減圧手術は74例(43.0%)に施行し,術式は膵管空腸側側吻合術62例,膵管開口部形成術10例,尾側膵管空腸吻合術2例であった.膵管空腸側側吻合術は主膵管の直径が8mm以上に拡張している症例が良い適応で,手術の疼痛に対する効果をみると,86.0%に疼痛の消失を認めた.しかし,膵内外分泌機能の低下は手術施行後も進行しており,術後の管理が必要である.特発性慢性膵炎症例ではアルコール性症例に比べ,術後の除痛効果,遠隔成績ともに良好であり,内外分泌機能低下が進行する以前に膵管空腸側側吻合術を行うことは,外科的治療上効果的である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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