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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻10号

1989年09月発行

文献概要

特集 鼎談 術中トラブルの予防と対策 甲状腺・上皮小体手術

胸鎖乳突筋の扱い方

著者: 藤本吉秀1 三村孝2 的場直矢3

所属機関: 1東京女子医科大学内分泌センター外科 2済生会中央病院外科 3仙台市立病院外科

ページ範囲:P.1299 - P.1299

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 藤本 それから甲状腺の分化癌で,内深頸リンパ節は,外国ではあまり一所懸命郭清しないようですが,日本ではよくやりますよね.実際,患者さんが手術後に医者以上に触診が上手になって,小さいリンパ節をよく見つけて来られます.現実にはそんなに心配する病的状態だとは思わないのですが,とる以上はきちんととりたい.それで,胸鎖乳突筋を切るか切らないか.私は前にリンパ節が激しく腫大していた症例でやむを得ず切ったことがあるのですが,後で縫うと筋肉が硬くつっかい棒みたいに突っ張ってしまった経験が一,二あったものですから,原則として筋肉を切らないでやっているわけです.しかし,信州大学あたりでは原則として切ってやっているようです.石垣先生は鎖骨の付着部の近くで切ってやられるということを学会で話しておられましたね.
 三村 この間も再発例でもどうしても切らざるを得ないものがありました.あとで丁寧に縫うのですが,ちょっと力を入れたら縫ったところがすぐ切れてしまうんです.浸潤があるようなところは削っても,できるだけ切らないで残した方がいいと私は思います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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