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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻10号

1989年09月発行

文献概要

特集 鼎談 術中トラブルの予防と対策 甲状腺・上皮小体手術

甲状腺癌の中途半端な手術は禁物

著者: 藤本吉秀1 三村孝2 的場直矢3

所属機関: 1東京女子医科大学内分泌センター外科 2済生会中央病院外科 3仙台市立病院外科

ページ範囲:P.1313 - P.1313

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 藤本 話が甲状腺の癌に戻りますが,いっぺん他の病院で手術を受けて,その後にリンパ節転移が出てきたから何とかしてくれといってこられる患者があります.その場合,手術をさせていただいて感じることですが,これは外科医に共通していることかもしれませんが,自分がいつもやっているところはわりあい十分に摘除や郭清をやるんだけれども,あまりやりつけないところの手術はつい遠慮がちになってしまうと思うのです.どうしてもリンパ節の郭清の範囲が狭いんです.そのために再発してくるんです.乳頭癌は取り残しがあると必ず出てきますから,ですから,十分解剖を頭においていただいて,飛ぶと思われる範囲はとっておかないと郭清にならない.中途半端に手をつけられると,癒着で後の手術が困ってしまう.むしろ全然手をつけないほうがかえっていいくらいです.
 三村 全部ではないですけれども,ほとんどは郭清したところは大丈夫だと思います.先ですね,出てくるのは.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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