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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻10号

1989年09月発行

文献概要

特集 鼎談 術中トラブルの予防と対策 胃・十二指腸手術

リンパ節郭清中の事故と対策

著者: 岡島邦雄1 丸山圭一2 島津久明3

所属機関: 1大阪医科大学一般・消化器外科 2国立がんセンター外科 3鹿児島大学第1外科

ページ範囲:P.1404 - P.1415

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 島津(司会)胃・十二指腸の手術は,消化器外科の中で一番ポピュラーな手術で,皆さんが日常的にたくさんやっておられますし,しかも上手にやっておられますので,術中トラブルとして大きく取り上げるほどの問題は,そんなにはないように思います.強いていいますと,胃自体に関する手術操作よりも,胃以外の周囲の臓器を誤まって損傷して困ったという問題の方がむしろ多いのではないでしょうか.特に最近では,胃・十二指腸の手術といいますと,どうしても胃癌の手術が中心になりますが,胃癌手術の性質上,起こりうる問題点を整理してみますと,1つには,リンパ節郭清の操作中に生じるもの,第2には胃の切離操作と,その後の処理に関連する問題,そして第3には切除後の再建に関連する問題があると思います.そこで,一応これに沿って進めさせて頂きます.
 最初に,リンパ節郭清操作中に何らかの支障が起こった場合の対策についてお伺い致しますが,まず肝十二指腸間膜内の郭清中に誤って総胆管の損傷を起こした時には,どのように対応されるでしょうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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