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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻10号

1989年09月発行

文献概要

特集 鼎談 術中トラブルの予防と対策 胃・十二指腸手術

胃の切離操作に際してのトラブル

著者: 岡島邦雄1 丸山圭一2 島津久明3

所属機関: 1大阪医科大学一般・消化器外科 2国立がんセンター外科 3鹿児島大学第1外科

ページ範囲:P.1416 - P.1419

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胃の亜全摘で残胃の色が悪くなったとき
 島津 それでは第2番目の胃の切離操作,あるいはその後の処置に関連した問題に移りたいと思います.先ほど丸山先生からもちょっとお話が出ましたが,胃の亜全摘を行いまして,残胃の色が悪くなった場合,それをすぐに断念して全摘に切り替えるか,あるいは残しておいても大丈夫かどうか.岡島先生,いかがでしょうか.
 岡島 私は今まで2例ばかりあります.ちょうど吻合が終わった時に,ほっとして気がついてみれば,残胃がチアノーゼとなって,非常に色が悪い.1例はそのままにして結局,残胃の壊死を起こしました.1例では,その時引き続いて全摘をしました.その判断には残った血管がどの程度あるかということの確認が大切だと思うのですが,残胃がチアノーゼになっている時は,動脈の流れの問題だけではなくて,静脈還流が悪い.静脈還流が悪い時には消化管壁は,あとに浮腫がくるし,oozingがくる.それで結局は循環が悪くなるということが起こってきますから,おかしいと思ったら,やはり残胃を切除した方がいいと思います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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