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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻10号

1989年09月発行

文献概要

特集 鼎談 術中トラブルの予防と対策 小腸・大腸手術

腸のviabilityの判断

著者: 土屋周二1 小平進2 牧野永城3

所属機関: 1横浜市立大学第2外科 2慶応義塾大学外科 3元:聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.1430 - P.1433

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 牧野(司会)今日のテーマは小腸・大腸手術の術中トラブルですが,まず第一にお伺いしたいのは腸のviabilityの判断,つまり腸管が生きているか死んでいるかということの判断です.特に絞扼性イレウスで嵌頓,捻転,腸間膜動静脈の血栓症などがある場合にみられる腸管の壊死状態,本当に死んでいるかどうか,切るべきかどうかの判断ですが,先生方は現実にどのように対処しておられますか.土屋先生,まず皮切りにお願いします.
 土屋 常識的には従来いわれているように腸管の色調の変化や温度とか,腸間膜の動脈の拍動などによって判定すると思います.あやしいものでは温かい生食水をひたした布をかけ,ある程度時間をおいてもう1回みることも奨められています.客観的な判定法としては,ドップラーの血流計だとか,フルオレッセイン螢光色素などを注入して,そこに血流があるかないかをみるなどいろいろな方法が提唱されておりますので,そういうことを行うのも1つの方法かと思います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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