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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻10号

1989年09月発行

特集 鼎談

術中トラブルの予防と対策 肝臓手術

術後のトラブルあれこれ

著者: 小澤和恵1 島村善行2 出月康夫3

所属機関: 1京都大学第2外科 2国立療養所松戸病院外科 3東京大学第2外科

ページ範囲:P.1490 - P.1495

文献概要

3区域切除後,再発が散布性に起こったとき
 小澤 拡大切除する場合に一番怖いのは,例えば右3区域切除例で,比較的小さい残肝が急速に再生するような場合に,再発が散布性に2ヵ月以内におこる症例です.アンギオでは満開の梅の花のようにみえます.年に1〜2例は必ず経験しますね.肝の再生増殖と同じような因子が関係しているのだと思うのです.逆に残肝がわりに大きな場合は経験しないものですから,拡大手術をしていく際に,3区域やれば根治性があると思っても,lateralが小さい場合にはグッと後退して右葉切除にとどめております.機能的には取れても,やはりそういう梅の花のような形に再発しますと,もうどうしようもありませんので.そのへんを事前に予知あるいはコントロールする方法はないものかと悩んでおります.
 島村 私も以前に何例かありました.特に,HBウイルス・キャリアーの若年者ではそのような傾向がありますね.進行肝癌にはほとんどの症例に肝動脈挿管していますので,全身状態が改善してきたならば,少なくとも1ヵ月以内にそれを介してリピオドールを注入するようにしています.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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