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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻10号

1989年09月発行

文献概要

特集 鼎談 術中トラブルの予防と対策 血管手術

動脈遮断のときのトラブル

著者: 田辺達三1 多田祐輔2 松本昭彦3

所属機関: 1北海道大学第2外科 2東京大学第2外科 3横浜市立大学第1外科

ページ範囲:P.1536 - P.1541

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動脈硬化性病変や炎症性病変が強いとき
 松本 さて,動脈が剥離されて,いよいよ遮断をして手術に移るわけですが,健常な動脈であれば問題がなくても,最近では日本人にも動脈硬化性の病変や炎症性病変が非常に強い人があります.注意して遮断鉗子をかけても,なおかつその部分の内膜が断裂したり亀裂が入ったりし,鉗子を外して初めて気がついたりするわけです.吻合が完了してから,あるいは内膜剥離を行ってpatchgraftをやったところで気がついたような場合,どんな注意をしたらいいでしょうか.
 多田 まず大動脈の場合ですが,それがどういう状況下で起こるかを考えますと,1つは触診で大動脈の石灰化や粥腫様の変化が強い場合ですし,もう1つは血圧が非常に高い場合です.こんなときには大動脈鉗子による動脈損傷が起こりやすいわけで,血圧については麻酔医に依頼して降圧剤で下げることが必要です.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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