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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科44巻11号

1989年10月発行

雑誌目次

特集 肛門疾患治療の現況

肛門の局所解剖

著者: 高野正博

ページ範囲:P.1579 - P.1587

 肛門部は内胚葉と外胚葉の接続部で,括約筋機能を有し,非常に複雑な形態を呈している.またここに発生する疾患も多様である.肛門の構造を6つに大別すると,①肛門上皮—皮膚炎・裂肛等が発生する,②歯状線—肛門小窩炎・肥大乳頭等が発生する,③肛門上皮下支持組織・静脈叢—内痔核・外痔核等が発生する,④括約筋群—これを損うと括約不全を招来する,⑤肛門腺—肛囲膿瘍・痔瘻等が発生する,⑥結合支持組織あるいはspace—痔瘻はこのspace間に拡がっていく.これら肛門の機能・特異性を理解したうえで,各疾患の診断・治療にあたることが必要である.

外来における診察と処置

著者: 吉田鉄郎

ページ範囲:P.1589 - P.1596

 外来で肝門疾患を診察するに当り最も大切なことは,1つは患者の訴えを十分時間をかけて聞き,詳細な問診をとることである.これにより大よそ診断がついてしまう.次に大切なのは肛門直腸の指診である,特に肛門疾患に併発している微細な直腸病変を見逃さないよう,患者に苦痛を与えない指診の技術を身につけなくてはならない.
 そして,坐薬などの薬剤では治らないが,入院して手術するほどではない中間の症例の多くは,注射療法,ゴム輪結紮,凍結療法,赤外線凝固療法,stretching,その他の小手術を駆使して外来通院で治療することができる.
 外来における肛門疾患の診察の手順と外来でできる処置について述べた.

肛門手術と合併症

著者: 岩垂純一 ,   隅越幸男 ,   小野力三郎 ,   黄田正徳 ,   山本清人 ,   東光邦 ,   吉永栄一 ,   小路泰彦 ,   奥田哲也

ページ範囲:P.1597 - P.1602

 肛門手術後の合併症には手術直後つまり入院中にみられるものと,遅くなって退院後にみられるものがある.入院中にみられる合併症は術直後の疼痛や便意,ショックと早期の出血,晩期の出血,腰麻後頭痛,排便時痛,創部痛,排尿障害,排便障害などであり,手術時に注意するのは無論のこと術後管理上も十分な注意が必要となる.また退院後に生じる合併症の主なものは,粘膜脱,肛門狭窄,難治肉芽創,閉鎖不全などの後障害といえるものであり,術式の選択の誤り,手術時の技術的な失敗に起因するものが多く,いったん発生すると,その完全な修復は難しい.
 以上,肛門手術の合併症について予防と治療を中心に述べた.

痔核手術のポイント

著者: 竹之下誠一

ページ範囲:P.1603 - P.1607

 痔核は直腸肛門部の静脈瘤様変化で,血液循環障害が原因であるから,その原因となる種々の要素を除きかつ保存的加療を優先的に行う.しかし,痔核の血管壁の変化が不可逆性の場合(Ⅲ度〜Ⅳ度),あるいは出血を繰り返すなど日常生活に支障をきたすようになった場合には手術適応を考える.歴史的にみて,痔核切除の手術術式は痔核をことごとく切除して環状に縫合するWhitehead法と,主痔核を中心に放射状に切除する結紮切除法とに大別されるが,前者は肛門管への侵襲が大で手術後の不快な障害をきたすため,現在ではほとんど行われていない.結紮切除法でも切除創を開放のままにして,二次的治癒をはかる基本的な開放法1,3)と,粘膜,肛門上皮を縫合する半閉鎖法4,5),完全に皮膚まで縫合する閉鎖法6),さらには形成外科的な手法を取りいれた術式などが工夫されているが,肛門管に放射状に切除創をつくり,粘膜,肛門上皮などをなるべく残存させるという点では一致している.われわれは各症例に応じて,開放法と半閉鎖法を使いわけているので,本文ではそれらについて述べる.

痔核手術のポイント

著者: 松田直樹

ページ範囲:P.1609 - P.1613

 日常生活にほとんど支障のない軽度の痔核(第1度)や,多少支障がでても坐剤や軟膏,内服薬などで症状の消失する中程度の痔核(第2度)などは手術の適応としていない.たとえ,それらに予防的な目的で手術を行ったところで結果はおそらく良くなく,多彩な術後愁訴に悩まされる.当院の手術基準は,保存療法が無効で,症状が長年不変または次第に悪化するものとしている.その場合も医師が病状について十分説明し,患者も納得して手術を希望した時に手術療法を行っている.術式の基本は結紮切除法であり,創部の適度のアンダーマイニングと,慢性炎症による肛門狭窄に対する括約筋切開術,およびドレナージ創の"半開放性縫合"よりなる.この特徴は手技が簡単で出血もほとんどなく,"半開放性"に縫合をしているため治りも早く痛みも少ない.また,術後狭窄の心配もない.

低位筋間痔瘻手術のポイント

著者: 松島誠

ページ範囲:P.1615 - P.1618

 痔瘻手術の目的は,anal cryptに存在する原発口(一次口)と,それに続くanal glandに形成された原発巣の確実な切除であり,これを最小限の手術侵襲のもと機能障害を残さずに施行することである.
 低位筋間痔瘻とは,瘻管が内外括約筋間を歯状線よりも下方に走行するものを指し,どのクリプトからも発生しうる最も頻度の高い(全痔瘻の約60%)痔瘻である(図1〜2).手術に際し,原発口が後方に存在するものと,前方または側方に存在するものでは術式選択に違いがみられる.後方のものに対しては基本的に全瘻管の開放術式を,前方または側方のものには括約筋温存術式を選択すべきである.この項では入院を前提とした手術法を述べる.

低位筋間痔瘻手術のポイント

著者: 小杉光世

ページ範囲:P.1619 - P.1623

 低位筋間痔瘻(隅越分類Ⅱ L)は臨床的に頻度が高く,自験痔瘻382例中268例(70%)がⅡ L型であった.保存療法では根本治癒しない疾病であり,手術治療の適応である.
 痔瘻と括約筋の関係上,開放手術は術後肛門の機能および形態に影響するため,種々の括約筋温存手術が工夫されている.特に前・側方のⅡ Lは肛門周囲の状況を観察し,再発率・創治癒の期間・手術方法が簡明である点などを考慮して術式を選択することになる.
 肛門内側よりクリプト・原発巣と周囲炎症性硬結を括約筋を温存しつつ正確に除去し,粘膜と肛門皮膚を縫合して皮弁にて被覆閉鎖する術式を中心に述べる.後方Ⅱ Lについては簡単に概略だけとする.

坐骨直腸窩痔瘻手術のポイント

著者: 小野力三郎

ページ範囲:P.1624 - P.1628

 坐骨直腸窩痔瘻は,肛門正中後方の肛門小窩が原発口であることが大部分であり,浅肛門後腔に膿瘍をつくり深肛門後腔(Courtney's space)を経て片側ないし両側の坐骨直腸窩へ膿が拡がる複雑痔瘻の一種である.診断は,肛門内指診により恥骨直腸筋の硬化の有無によりつけることができる.治療は根治手術によるしかない.今日では,初回手術例では切開開放術式はほとんど行われなくなり,肛門保護手術を選択すべきである.ここではそのなかの,内括約筋を温存し,内括約筋の原発口側の間隙より原発巣に到達し,これを処理する筋肉充填術式について述べる.

坐骨直腸窩痔瘻手術のポイント

著者: 松田保秀 ,   山本達雄 ,   川上和彦

ページ範囲:P.1629 - P.1634

 従来,坐骨直腸窩痔瘻に対する手術は原発口を含めて全瘻管を開放創とするlay open methodが唯一の方法であった.しかし,創治癒に2ヵ月かかったり,肛門の変形も少なからず認められたため,最近は括約筋温存手術が主流となっている.坐骨直腸窩痔瘻は膿瘍期では切開排膿・ドレナージ後2〜3ヵ月して,また慢性期では直ちに根治手術の適応となる.
 手術の基本操作は,原発口を含む可及的全瘻管のcoring outと,6時の原発口部の内外括約筋欠損に対する筋肉充填,およびcoring out後のドレナージである.
 本術式は創治癒が早く,変形もほとんどなく,創部も柔らかくて優れた方法である.しかし,瘻管の直腸穿孔例や,極めて大きく硬い場合は本術式の適応外である.

裂肛手術のポイント—側方内肛門括約筋切開術について

著者: 瀧上隆夫 ,   竹馬浩 ,   友近浩 ,   中谷紳

ページ範囲:P.1635 - P.1640

 裂肛(肛門裂創)は単純な疾患であるが,頻度も高く苦痛の多い疾患の一つである.急性肛門裂創は保存的療法で治癒しうるが,慢性化した肛門裂創(肛門潰瘍)は外科的治療でないと根治させるのが難しい.痔核,痔瘻の手術適応は比較的決めやすいが,裂肛は慢性化していても無意味に外来で保存的に経過を観られている場合が少なくない.①肛門潰瘍,見張りイボ,肛門ポリープと裂肛の三徴を有するもの,②肛門管の伸展性不良で肛門狭窄様になったもの,③裂肛は軽いが著しく肛門管の緊張の強いもの,④3〜4週間の保存的療法で症状の改善しないものなどは,迷わず外科的療法に踏み切った方がよい.どのような外科的療法を選択するかは裂肛の肉眼所見によって決めればよい.
 治療の要点は内括約筋の攣縮を緩め,肛門管の伸展性をよくして排便をスムーズにすることである.本文では比較的軽い慢性裂肛に対して侵襲,合併症,再発率が少なく治療効果の高い側方内肛門括約筋切開術(lateral subcutaneous internal sphincterotomy,LSIS)の手技について述べる.

裂肛手術のポイント

著者: 坂田寛人

ページ範囲:P.1641 - P.1645

 裂肛の治療としては現在,急性の単純なものには保存的療法,再発を繰り返し疼痛が強く合併病変の少ない亜急性のものには皮下内括約筋切開術,慢性期に入り肛門狭窄や炎症性随伴病変のみられる複雑な裂肛に対しては裂肛切除・皮膚弁移動術が行われている.
 開放創として二次的に治す裂肛切除術では術後に難治創を作ったり,再発がみられたり,時にはsoilingがみられるなどの欠点があり,痔瘻や脱肛に合併して裂肛がある場合以外はあまり行われていない.一方裂肛切除,皮膚弁移動術は,病変部を切除し内括約筋を切開して正常な大きさに広くしたあと,手術創を一期に周囲の皮膚で移動被覆する術式で,術後の疼痛が少なく,治癒も早く,再発,後障害のない安全な術式である.慢性の肛門狭窄を生じた裂肛,難治創を伴う術後肛門狭窄が本法の適応となる.本文では日頃行っている裂肛切除・皮膚弁移動術について述べる.

座談会

肛門専門病院における肛門疾患治療の現況

著者: 野垣正樹 ,   鈴木和徳 ,   石山勇司 ,   藤好建史 ,   岩垂純一

ページ範囲:P.1646 - P.1657

 近年,肛門疾患の治療は肛門疾患専門の施設に集中する傾向がみられる.ベッド数100床以上,年間手術例数1,000例を越えるような肛門の専門病院が各地にみられるようになった.そこで本号では全国からこれらの第一線で活躍されている5人の先生をお招きし,専門病院における診療の体制と流れ,さらに外来診療から手術の実際までをお話しいただいた.

カラーグラフ Practice of Endoscopy 食道内視鏡シリーズ・ⅩⅢ

食道内挿管法—悪性狭窄

著者: 嶋尾仁 ,   比企能樹

ページ範囲:P.1573 - P.1575

適応
 食道内挿管法の適応は,原則として手術不能の悪性疾患による狭窄例である.悪性疾患による狭窄は前回に述べた各種の拡張法で解除が可能ではあるが,疾患の性格上,再狭窄を来しやすい.食道内挿管術の目的は,この再狭窄の防止にあるといっても過言ではない.
 挿管法はまた癌性潰瘍による食道気管支瘻の症状軽減にも役立つ.食道気管支瘻が存在すると,飲水や食事摂取により咳嗽が出現し,また気管支瘻を通しての誤嚥性肺炎を起こしたりする.この食道気管支瘻部を挿管チューブによりブロックすることで,食事摂取時の症状緩和をはかることが可能である.

文献抄録

脾摘とラット大腸腫瘍の誘発

著者: 吉野肇一

ページ範囲:P.1659 - P.1659

緒言
 400年以上にわたって脾摘が行われてきたのにもかかわらず,脾の機能は未だ不明の点が多い.貯蔵庫機能,赤血球貪食・免疫・細菌感染防御能などが証明され,脾摘後敗血症に関する報告は多い.脾と癌の関係については意見が分かれており,また脾が癌の誘発と成長に及ぼす影響に関する研究は少ない.本研究では脾摘が,DMH(1,2-dimethyl-hydrazine)によるラット大腸腫瘍の誘発と,突然変異を修復するDNA修繕酵素に与える影響を検討した.

研修医セミナー 一般外科手術記録の書き方

Lesson10 回盲部切除術(Ileocecal Resection)

著者: 小越章平

ページ範囲:P.1660 - P.1663

Ⅰ.記載のポイント
 1.麻酔。 2.皮膚切開。 3.腹部所見。癌主病巣および他臓器浸潤,転移など。 4.血管処理,腸管切除の範囲。 5.吻合方法。 6.閉腹,ドレーンの有無。 7.患者の状態,結び。

心の行脚・1【新連載】

葉隠私観

著者: 井口潔

ページ範囲:P.1664 - P.1665

 斉藤淏先生のあとを受けて,私がこの欄を担当することになった.そして,先生から私が佐賀なので,まず「葉隠」についてはどうであろうとの慫慂があった由なので,それではその御指示に従って,私なりの「葉隠」観を書かせて戴くことにする.
 私は一介の医学者に過ぎず,葉隠のような古文書の研究などしたことのないずぶの素人である.しかし,私なりに感銘を受けることの多いものであった.

一般外科医のための形成外科手技・10

筋肉弁と筋皮弁の基礎的知識

著者: 梁井皎

ページ範囲:P.1667 - P.1675

はじめに
 一般外科医には筋肉弁(muscle flap)あるいは筋皮弁(musculocutaneous flap,またはm-c flapと略)という言葉はなじみが少ないかもしれない.「弁」という言葉はflapおよびvalveの二つの意味を持っているが,形成外科における「弁」は,ほとんどすべてflapの意味で用いられている.また通常は「皮弁」(skinflap)という形で「弁」が用いられることが多い.一般外科においてflapという意味で「弁」が用いられるのは「皮弁」という言葉以外には「弁状に切れている創,弁状創」などの場合である.
 「皮弁」を「弁状になった皮膚,皮下組織,脂肪組織」と考えると筋肉弁および筋皮弁の理解がしやすい.すなわち皮弁と筋肉弁あるいは皮弁と筋皮弁とを比較すると,皮弁は,その構成成分が皮膚,皮下組織および脂肪であるのに対して,筋皮弁では,その構成成分が筋肉であること,また一方,筋皮弁では構成成分は皮膚,皮下組織,脂肪,筋肉ということになる.なお筋肉弁は筋弁という名称で,また,筋皮弁は筋肉皮弁という名称でも用いられている.

表紙の心・22

—外科医の味方—ラブレーの研究書

著者: 大村敏郎

ページ範囲:P.1675 - P.1675

 今月は本の表紙の写真を表紙に使った.19世紀末に出版された目立たぬ薄い本である.その著者ウールアール(ArthurHeulhard)が文芸評論家であるところから,医学史の世界には広く知られているわけではない.しかし,表題の「外科医ラブレー」は中味と共に大いに興味のあるものである.
 さらにこの本にまつわる話題としては,扉のページに1931年パリで入手したと,ラブレー研究家として有名な仏文学者の渡辺一夫氏のサインがしてある由緒ある書物である.

臨床研究

腸骨・大腿静脈血栓症に対する外科治療

著者: 浦山博 ,   沢重治 ,   藤岡重一 ,   片田正一 ,   渡辺洋字 ,   岩喬

ページ範囲:P.1677 - P.1681

はじめに
 腸骨・大腿静脈血栓症は静脈性壊死や肺梗塞をきたすばかりでなく,慢性期には静脈不全による浮腫,皮膚炎,皮膚潰瘍などの難治な病態を引き起こすことも多い.下肢静脈血栓摘除術は1937年にLäwen1),1948年にLeriche2)が報告し,続いてAllen(1953)3),Fontaine(1957)4),Mahorner(1957)5)が報告している.Fogartyはカテーテルを用いた血栓摘除術を1965年に報告し6),現在の標準術式となっている,抗血栓療法が進歩した今日においても,phlegmasia ceruleadolensに対して血栓摘除術は絶対適応である.今回,腸骨・大腿静脈血栓症の外科治療の遠隔成績を検討し,適応,補助療法,付加手術に関しても考察を加えた.

四肢末梢動脈閉塞症に対するExtraanatomic bypass手術

著者: 湯田敏行 ,   上原景光 ,   帖佐信行 ,   有川和宏 ,   森下靖雄 ,   平明

ページ範囲:P.1683 - P.1686

はじめに
 高齢者人口の増加に伴い,四肢閉塞性動脈硬化症(以下ASO)も増加してきている.本症に対する血行再建術の一つとして,poor risk症例を中心にextraanatomicbypass(以下EAB)手術が選択される.今回は筆者らの行った54例のEAB手術について検討を加えた.

臨床報告

回腸子宮内膜症により腸閉塞を来した1例

著者: 小川功 ,   忍田謹吾 ,   高橋正彦 ,   山部克己 ,   船越尚哉 ,   遠藤俊輔

ページ範囲:P.1687 - P.1690

はじめに
 子宮内膜症は子宮内膜組織が異所性に増殖する疾患で,子宮体部に発生する内性子宮内膜症と,これ以外の部に発生する外性子宮内膜症とに大別される.われわれは,稀な部位,回腸末端部に発生した子宮内膜症により,腸閉塞を来した1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

CTにより術前診断しえた副腎骨髄脂肪腫の1例

著者: 高津出 ,   吉住豊 ,   島伸吾 ,   古井滋 ,   寺畑信太郎 ,   田中勧

ページ範囲:P.1691 - P.1694

はじめに
 副腎骨髄脂肪腫は副腎に発生する非機能性良性腫瘍で,組織学的には造血組織と脂肪組織とから構成される.今回,われわれはCT上典型的な像を示し,術前に副腎骨髄脂肪腫と診断しえた1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

腹部鈍的外傷により膵損傷,総胆管閉塞,仮性肝動脈瘤を来した1例

著者: 進藤俊哉 ,   小島靖 ,   長谷川重夫 ,   飯塚一郎 ,   鈴木均 ,   上笹功

ページ範囲:P.1695 - P.1697

はじめに
 交通事故の際のハンドルによる腹部内臓損傷はハンドル外傷と呼ばれているが,同時に膵損傷,総胆管損傷と肝動脈瘤を併発した症例は,著者らの調べた限りでは報告されていない.その治療法の選択についての問題点も含めてここに報告する.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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