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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻11号

1989年10月発行

特集 肛門疾患治療の現況

痔核手術のポイント

著者: 竹之下誠一1

所属機関: 1群馬大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1603 - P.1607

文献概要

 痔核は直腸肛門部の静脈瘤様変化で,血液循環障害が原因であるから,その原因となる種々の要素を除きかつ保存的加療を優先的に行う.しかし,痔核の血管壁の変化が不可逆性の場合(Ⅲ度〜Ⅳ度),あるいは出血を繰り返すなど日常生活に支障をきたすようになった場合には手術適応を考える.歴史的にみて,痔核切除の手術術式は痔核をことごとく切除して環状に縫合するWhitehead法と,主痔核を中心に放射状に切除する結紮切除法とに大別されるが,前者は肛門管への侵襲が大で手術後の不快な障害をきたすため,現在ではほとんど行われていない.結紮切除法でも切除創を開放のままにして,二次的治癒をはかる基本的な開放法1,3)と,粘膜,肛門上皮を縫合する半閉鎖法4,5),完全に皮膚まで縫合する閉鎖法6),さらには形成外科的な手法を取りいれた術式などが工夫されているが,肛門管に放射状に切除創をつくり,粘膜,肛門上皮などをなるべく残存させるという点では一致している.われわれは各症例に応じて,開放法と半閉鎖法を使いわけているので,本文ではそれらについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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