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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 肛門疾患治療の現況

坐骨直腸窩痔瘻手術のポイント

著者: 松田保秀1 山本達雄1 川上和彦1

所属機関: 1松田病院

ページ範囲:P.1629 - P.1634

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 従来,坐骨直腸窩痔瘻に対する手術は原発口を含めて全瘻管を開放創とするlay open methodが唯一の方法であった.しかし,創治癒に2ヵ月かかったり,肛門の変形も少なからず認められたため,最近は括約筋温存手術が主流となっている.坐骨直腸窩痔瘻は膿瘍期では切開排膿・ドレナージ後2〜3ヵ月して,また慢性期では直ちに根治手術の適応となる.
 手術の基本操作は,原発口を含む可及的全瘻管のcoring outと,6時の原発口部の内外括約筋欠損に対する筋肉充填,およびcoring out後のドレナージである.
 本術式は創治癒が早く,変形もほとんどなく,創部も柔らかくて優れた方法である.しかし,瘻管の直腸穿孔例や,極めて大きく硬い場合は本術式の適応外である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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