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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 肛門疾患治療の現況

裂肛手術のポイント—側方内肛門括約筋切開術について

著者: 瀧上隆夫1 竹馬浩1 友近浩1 中谷紳1

所属機関: 1チクバ外科・胃腸科・肛門科病院

ページ範囲:P.1635 - P.1640

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 裂肛(肛門裂創)は単純な疾患であるが,頻度も高く苦痛の多い疾患の一つである.急性肛門裂創は保存的療法で治癒しうるが,慢性化した肛門裂創(肛門潰瘍)は外科的治療でないと根治させるのが難しい.痔核,痔瘻の手術適応は比較的決めやすいが,裂肛は慢性化していても無意味に外来で保存的に経過を観られている場合が少なくない.①肛門潰瘍,見張りイボ,肛門ポリープと裂肛の三徴を有するもの,②肛門管の伸展性不良で肛門狭窄様になったもの,③裂肛は軽いが著しく肛門管の緊張の強いもの,④3〜4週間の保存的療法で症状の改善しないものなどは,迷わず外科的療法に踏み切った方がよい.どのような外科的療法を選択するかは裂肛の肉眼所見によって決めればよい.
 治療の要点は内括約筋の攣縮を緩め,肛門管の伸展性をよくして排便をスムーズにすることである.本文では比較的軽い慢性裂肛に対して侵襲,合併症,再発率が少なく治療効果の高い側方内肛門括約筋切開術(lateral subcutaneous internal sphincterotomy,LSIS)の手技について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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