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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻12号

1989年11月発行

文献概要

特集 胆嚢癌の外科

胆嚢癌のリンパ節郭清—膵頭十二指腸切除術の意義

著者: 吉川達也1 羽生富士夫1 中村光司1 吾妻司1 小川佳子1 竹田秀一1 平野宏1 今里雅之1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.1751 - P.1757

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 自験胆嚢癌切除例のうちリンパ節転移の有無が検索できた123例について検討し以下の結果を得た.1)深達度ssでは56.8%に,seでは77.3%にリンパ節転移を認めた.また,ssでは転移陽性例の47.6%が,seでは同じく86.2%がn2以上に転移していた.2)リンパ節転移の有無別に生存率をみるとn(+)群は有意に不良であった(P<0.001).3) R2以上郭清例のうち,n2以上の症例を膵頭十二指腸切除術(以下PD)(+)群とPD(−)群に分け生存率を比較するとPD(+)群で有意に良好であった(P<0.05).4)n (+)例の再発様式をみると,PD(−)群ではPD(+)群に比し2群までのリンパ節再発を含めた局所再発が多かった.以上より,深達度ss以上ではPDを積極的に適応し徹底したリンパ節郭清を行うことが必要であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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