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特集 小児外科
小児鼠径ヘルニアの治療—再発と合併症について
著者: 梶本照穂1
所属機関: 1金沢医科大学小児外科
ページ範囲:P.1895 - P.1900
文献購入ページに移動 昔もそれほど多くなかった小児の鼠径ヘルニアの術後再発は,成人向けの,再発の予防を重視した手術をしなくなっても,いまや1%を切るほどになった.この程度の再発率なら,再発の責任を術式のせいにすることはできない.むしろ,その術式はほとんど完全であるというべきである.小児の再発例を手術してみると,大部分がヘルニア嚢を見失って何の処置もしなかったもの,十分な高位結紮がされなかったもので,本当の再発はごく一部にすぎないのである.局所解剖の知識をもっているというだけではこの解決にはならない.
つづいて,術中の偶発事故については,手術の展開につれて起りうる偶発症(腸骨鼠径神経,精管,精巣動静脈,大腿血管,膀胱の損傷)を順次とり上げ,嵌頓の処理にかかわる偶発症にも触れ,それぞれの処理法を具体的に述べた.術後に顕症化する合併症については,創部の皮下血腫,創部感染,睾丸高位,睾丸萎縮に触れ,その予防策とともに治療法を論じた.
つづいて,術中の偶発事故については,手術の展開につれて起りうる偶発症(腸骨鼠径神経,精管,精巣動静脈,大腿血管,膀胱の損傷)を順次とり上げ,嵌頓の処理にかかわる偶発症にも触れ,それぞれの処理法を具体的に述べた.術後に顕症化する合併症については,創部の皮下血腫,創部感染,睾丸高位,睾丸萎縮に触れ,その予防策とともに治療法を論じた.
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