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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻2号

1989年02月発行

文献概要

特集 80歳以上高齢者の手術

肺癌肺切除術

著者: 木下巖1 松原敏樹2 中川健2 西満正2

所属機関: 1佐々木研究所附属杏雲堂病院外科 2癌研究会附属病院外科

ページ範囲:P.203 - P.207

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 1970〜1986年までわれわれの施設で行った肺癌肺切除例593例を対象として,80歳以上の高齢者肺癌に対する検討を行った.高齢者肺癌は12例で,男性8例,女性4例,最高年齢は86歳女性であった.術式として,肺葉切除が10例ともっとも多かった.リンパ節郭清(R)はR04,R14,R24であった.術後肺合併症が非高齢者に比べて多く,3例を肺炎で失った.予後は累積生存率で22.3%の5年生存率を示したが,術後合併症を少なくすることにより,予後の向上が期待できる.全身状態を含めて手術適応を選び根治的肺葉切除が可能なら,80歳以上でも年齢にこだわることなく肺切除を行ってよい.とくに術後管理には気を配り,合併症を起こさぬよう,またやむを得ず起こった場合には積極的な対応が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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