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文献詳細

雑誌文献

臨床外科44巻2号

1989年02月発行

文献概要

特集 80歳以上高齢者の手術

胃の手術

著者: 平塚正弘1 古河洋1 岩永剛1 小山博記1 福田一郎1 甲利幸1 大東弘明1 亀山雅男1 今岡真義1

所属機関: 1大阪府立成人病センター外科

ページ範囲:P.213 - P.217

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 80歳以上の胃癌手術27例の治癒切除率は70%であった.手術直接死亡例はなく,切除25例のうち24%に術後合併症が発生した.術前検査成績と術後合併症の発生とは相関がなかった.術中出血量が1,000ml以上の2例に重篤な術後合併症が発生し,そのうち絶対非治癒切除例は入院死亡した.胃全摘例は部分切除例に比べて術後合併症発生が高率であった.郭清度別では合併症発生例はすべてR1郭清で,R2郭清に術後合併症はなかった.根治手術20例の5生率は83%で,このうち胃全摘6例の5生率は100%であった.絶対非治癒切除の場合は最小限の手術にとどめるべきであるが,根治手術可能例ではR2郭清あるいは胃全摘術も必要ならば行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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